猫の墓を作る

旧サブブログ: 海辺の限界分譲地

 近所の方が猫の亡骸を発見して連絡をもらった時、僕は取材先の仙台市に居て、すぐに帰ることができなかった。亡骸にはすでに蠅もたかっていたとのことなので、まずは近所の方にお願いして、僕の所有地に埋めてもらい、帰宅後、改めて僕が墓を作ることにした。

 ペット用の墓石のようなものもあるらしいけれど、転出の際は墓も移設しなくてはならないし、近くに花を植えたかったので、使わずに保管していたガーデニング用の資材などを使って、花壇のような簡単なお墓を作ることにした。死骸が花の栄養になるとも思えないので、枯れてしまうのかもしれないが、それならそれで、亡骸が花と一緒に土に還るのもよいかと思ってこの形にした。

 これから夏になり、外の仮設のビニール物置では暑くなりすぎるので、まずは土地に積み上げた薪を焼却炉で処分し、空けたスペースに、猫の寝床としてコンテナハウスを設置する予定だった。あわせて捕獲して注射を行い、首輪もつけようと考えた。

 しかしまずは僕たちに懐かなくてはどうにもならないので、何とか手懐けようとマタタビも注文してみたが、届いたのはすでに猫が死んだ後だった。

 なんにせよ「つもりだった」などと書くのが許されるのであればどんな話でも膨らませて語れるものであり、結果としては何もしていなかったということだ。ここの分譲地は行き止まりで、住民以外の車の往来は皆無である。見ている限り毎日我が家の周辺に居て、あまり遠出している様子もなかったので、このまま我が家の近くに居れば安全だろうと考えていたのが浅はかだった。

 転居を決めて、以前調査していた、無住、あるいはほぼ住民のないいくつかの分譲地の土地や空き家などの所有者情報を元に問い合わせを試みたり、登記簿上の所有者のお宅を訪問したりしてみたものの、結局所有者の情報にたどり着ける手段はなかった。別の分譲地で土地整備の企画を続ける手段に望みを託していたのだが、その実現可能性もなくなってしまった。

 しかし、友人には仕事を出すという約束でわざわざ故郷から呼び寄せている。それを、ほとんど報酬も出せないまま一方的に切るわけにもいかない。整備の企画が続けられないのであれば、チャンネルを売却してそれを補償に充てるしかない。分譲地調査の動画のみでは、経費面でこれ以上チャンネルの維持は無理だと考えて始めた整備企画だったが、それがかえって仇となってしまった。

 チャンネル売却の件を広く告知してから、お仕事などでお世話になった方からもご連絡をいただいており、少しずつ話が進み始めている気もする。もったいないというお言葉は数多くいただいており、僕自身もそう思うのだが、持続できない方向に向かうこともできず、傷口が広がる前に店じまいをしなくてはならない。何も言わずに終わるのもあまりに悔しいので、せめてブログは最後まで続けようと考えている。

コメント

  1. もう、お腹いっぱいです。のアカ より:

    ちょっと目を離していたのですが…急な展開に驚いています。
    外部のワタクシが一連の事象について何か言う立場にないので…ただ、箱は売っても主さんの知恵まで売るわけではないと思うので、動画等でもまた元気に再起(失礼スミマセン)か復活かを果たすのを待ってます。そんな感じで待っている人も多数と思います。そこはどうかお忘れになられませんよう

    • 吉川祐介 吉川祐介 より:

      コメントありがとうございます。
      Twitterでも、いつもご返信をいただきありがとうございます。

      ここ最近のブログは個人的な話ばかりですが、またこの場でも、分譲地について発信できればと考えています。
      よろしくお願いいたします。

  2. spring より:

    はじめまして。吉川さんのチャンネルを拝見させて、こちらに参りました。猫さんのことは、私も同じようにすると思います。大変でしたね。チャンネルやツイッターはなくなってしまうのでしょうか。寂しいですが、これからのご活躍を応援しています。

    • 吉川祐介 吉川祐介 より:

      ありがとうございます。
      チャンネルに関しては今の時点では先方の条件呈示待ちという状態ですが、Twitterを個人名で再開する予定は今のところありません。
      DMでしか連絡を取っていなかった仕事上のお付き合いの方や、土地に関する相談者の方などのためにアカウントを残しています。

      ブログは少し休んでからまた再開いたします。

  3. shigenori より:

    心中お察しします。YouTubeで吉川さんの動画を拝見し、大ファンになった者として残念極まりないですが、またご活動を再開されることをいつまでもお待ちしております。

  4. いちろー より:

    半年くらい前に吉川さんのチャンネルに出会ったのですが、さっきチャンネル売却の動画を見てびっくりしました。
    かなり濃い内容で楽しませてもらっていたので残念ではありますが、外野がどうこういう問題ではありません。

    ファンの一人として吉川さんがまたそのうち面白いコンテンツを作ってくれる日が来たらいいなと思っています。

  5. 南出矢念 より:

    貴兄が企画されたお仕事のためめに地元から呼び寄せたお友達の件ですが、今回の諸々の情報発信で傷ついているように感じます。動画で支払う金額を公開されたのも、報酬を得るお友達の了解があってのことだったでしょうか。(呼び寄せた)貴兄に責任があるからこそ、そのこと(お友達への仕事が身動きを取りにくくしている件など)をブログや動画で表沙汰にするのではなく、ご本人たちと内々に話し合うべきだと思います。お友達自ら、そのお仕事を辞退されるようにプレッシャーがかかってしまっているようにも感じました。

    • 吉川祐介 吉川祐介 より:

      ありがとうございます。公開そのものは了承を取っていませんが、動画を再開することと、収益はどうあれ報酬は約束通り払うことは伝えてあります。

      内々に話すというか、動画ではお伝えしていない話もありますが、そういう話でも友人には伝えてあります。

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