【前記事からの続き】
③電気・水道・ガス
電気に関しては、千葉の一部の放棄分譲地と異なり、大洋村の別荘地で電気が供給されていないようなところはないので問題はない。我が家も既にスマートメーターに交換済みで、ご丁寧なことに、もはや長年利用されてないと思われる近隣の廃屋のメーターも、全てスマートメーターに交換されている。
上水道は、前回の記事でもお伝えしたように、我が家の別荘地は管理会社が供給する集中井戸である。敷地内には制水弁のハンドホールがあり、制水弁より建物側の配管は我が家の所有、制水弁から水道の供給元である圧力タンクまでは管理会社の所有である。納入した管理費で維持・補修されるのは、管理会社が所有する区間の配管だ。一般の公営水道と同じである。
重要なのは排水だ。契約時の重要事項説明においては、我が家の建物は、トイレの汚水は現在では新規の設置が禁止されている単独浄化槽、その他の雑排水は浸透枡による宅内処理と聞かされていた。浄化槽について素人の僕は、てっきり現在の合併浄化槽によく見られるFRP製のものを想像していたのだが、雑草に埋もれた蓋はコンクリート製のもので、浄化槽本体も同じくコンクリート製であった。古い基準の浄化槽は、このようなものもあるらしい。
浄化槽にはブロワーを繋ぐホースや、ブロワー用のカバーも残されていたが、肝心のブロワー自体がない。鉄・金属の価格が高騰した数年前は、各地で空き家に放置されたエアコン室外機の盗難が問題になったが、同時にブロワーの盗難も相次いでいたようである。大洋村は放置家屋が多いため、アルミサッシの盗難まで発生する深刻な事態に陥っていたので、我が家のブロワーも盗難に遭った可能性がある。
仮に残っていたとしてもまともに使えるかは怪しいので、メルカリで3500円(送料込み)の中古ブロワーを調達して取り付けることにした。
トイレは既に使い始めているので、鉾田市内の浄化槽管理業者の一つに電話して、古い単独浄化槽であることを伝えた上で点検のお願いをしたところ「水が溜まってれば大丈夫ですよ」と、なんとも鷹揚な回答が返ってきた。そこで自分で浄化槽の蓋を開けて見たのだが、水は溜まっておらず空だったので、外水道と残置物のホースを使い注水してみた。しかし浄化槽は、浄化槽法に基づき使用者の責任において、指定管理士による定期的な点検が義務づけられているはずなのだが、本当にこれで良いのだろうか。
いずれにせよ、40年も前に造られたコンクリート製の浄化槽となると、そう遠くない将来(あるいは今の時点で)、ひび割れなどで使用不能になる可能性も高いので、その場合はこの浄化槽の穴に便槽を埋め込んで、簡易水洗トイレに切り替えようと考えている。合併浄化槽は、たとえ補助金が支給されようとも費用は掛かるし、この建物にはオーバースペック過ぎる。
余談だが、手入れがされていない廃屋の古い浄化槽は、すでに破損して崩落していることもあり、無用な廃墟探索はこの浄化槽跡に落下し怪我を負うこともあるので、あまりむやみに立ち入らないようにしたい。なお北総では、90年代初頭の家屋にも、古い規格の単独浄化槽が設置されていたケースも認められる。
しかし、浄化槽はこれで良いとしても雑排水用の浸透枡が見当たらない。僕もまだ、水回りの床板を剥がして確認したわけではないので今の時点ではなんとも言えないのだが、少なくとも外水道の排水口として地中に埋められている塩ビ管パイプの位置を見る限り、浄化槽とほぼ同じ位置で、あるいは浄化槽の浸透枡と共用されている可能性がある。
1983年の浄化槽法制定以前に設置された古い浄化槽は、統一された建築・設置基準もなく、施工業者によってその造りもまちまちであることがあるらしい。この別荘地には浄化槽の汚水を流し出す側溝はなく、雑排水であれ浄化槽の排水であれ宅内処理しているはずなので、断定はできないが果たして浄化槽として正しく機能するものであるかどうかも怪しい。これは、大洋村に限らず83年以前の古い浄化槽全般に言えることなので、古い家屋を取得する際は是非浄化槽には細心の注意を払ってほしい。
ガスに関しては、この建物は元々プロパンガスの利用を想定した造りになっており、風呂釜もプロパンガス用であり、流し台と浴室にそれぞれ一口ずつガス栓がある。
前オーナーは実際にプロパンガスを契約していたらしく、何故か八街市のガス業者の名刺が残されていたが、ガス会社には悪いが率直に言って、今からこの家に新たにプロパンガスを設置するメリットは低いと思う。
そもそも我が家の風呂釜の煙突は、屋外部が既に錆びつき、腐り果てていて使えないし、そうでなくとも、我が家を含めて大洋村の別荘は傾斜地に位置して車両の乗り入れに難のある立地が多く、一般家庭用の大きなガスボンベの設置が困難である。
小型サイズのガスボンベを調達し、ガスを充填させて持ち込んで使う手もあるが、それも手間の掛かる話だし、プロパンガス供給会社は、契約加入者以外のガスの充填や、契約住所以外でのプロパンガスの使用を断るケースも多い。常設するとなれば基本料金も掛かるので、常住でもなければプロパンガスのメリットを享受できる機会も少ないと思われる。
今後新たに設置するならば、電気温水器か、灯油給湯器などに切り替えるか、我が家の場合は、風呂には薪焚き用の風呂釜を設置し、ガスコンロはカセットボンベ式を使う予定である。
【次記事に続く】
コメント
更新お疲れ様です!
浄化槽の業者は田舎で競争原理が働いてないのかこの辺りはマイペースで適当な業者が多いですね。電話出ない業者とかもいますし・・。うちは汲み取りは神栖の業者に毎年頼んでます。
おっしゃる通り浄化槽は本来は点検をして 稼働状況を報告しなければいけないんですが、特に罰則もないのでこの地域ではやらない人もちらほらいます。(うちは合併浄化槽ですが数年前に業者委託の点検をやめました。特に何事もないです。)
おそらく浄化槽のすぐ隣に浸透マスがあって宅地内処理だと思いますので、お時間があれば探してみてください。マスのフタが土に埋まってる可能性が結構ありますw
>>湯田の夫さん
コメントありがとうございます! なんかものすごく適当な対応でしたねw 特に大洋村は住民の入れ替わりも多いでしょうから、なんの意味もない不要不急な問い合わせも多いのかもしれません。
水を入れればそれで済むなら、我が家もそれが一番助かりますが…。
雑草は相変わらずの状態で、もしかしたら浄化槽と思ってたものが浸透枡なのでは…などとも考えてしまいましたが、浸透枡があんなに大きいこともないと思うので、次回行ったときに探してみます! ありがとうございます!
100Vコンセント式のIHコンロも最近は安くなってますのでオススメです(^^)
冬に食器洗いをする瞬間湯沸器が問題ですが…(一応電気の貯湯式もあるがけっこう高い)
浄化槽には「えひめAI-2」というヨーグルト菌、イースト菌、納豆菌が原料のヤツを投入するともしかしたら良いかも?しれないです〜
>>ぽんはせさん
コメントありがとうございます!
まだとても自炊が出来るような状況ではないですが、せめてお湯を沸かせるだけでも違うかなーと思っています。浄化槽は、教えていただいたえひめAI-2を試してみようかなと思います。簡単に作れるみたいなので。
私の住むおんぼろ廃屋もカセットコンロに薪風呂釜です
カセットコンロはカセットボンベの管潰しと空き缶処理が予想外に
めんどくさく思うこと 火力の弱さはそんなに気にはなりませんが
冬場は新品カセットボンベを次々に投入しないと強火力は維持できません
薪風呂釜は丈夫で堅固な作り(長府)ですが煙突の呼び錆と穴あきが早いです
最初から肉厚の黒い煙突を選ぶべきでした 薪の調達と薪割もなかなか手間と労力が
かかります チェーンソー・燃料・斧・薪置き場を用意しいろんな人に声をかければ
自然と伐採幹を頂ける機会が増えてきます 薪風呂使用歴5年目ですがプロパンは
楽ちんだなあ・・と浮気心が出てきました 薪風呂釜は強風時の煙突からの逆風流入で
焚口からの火炎放射と煙突火災(焚口の火力強すぎて火が煙突を上昇していく)が非常に危険ですのでご注意を・・ 長文失礼しました。
>>名無しさん
コメントありがとうございます! アドバイスありがとうございます!
薪は、既に保管場所に困るほど頂いていて、庭木を切るたびに新しく出るので間に合うのですが、確かにストーブは良いとしても、風呂釜はやっぱり灯油のほうが楽かなあ、と考えてしまうことが多々あります。特に雨の日の手間を思うと…。
コンロはまあ、ここでそんな凝った料理をすることもないと思うので、お湯さえ沸かせればいいのですが、よく考えたら冬はそれも薪ストーブで間に合いますね。
将来、白子町に住みたいと感じた(下水道見学(笑))。
被災地域を手本にした、コミュニティプラント系 真空式下水道 配管中川家礼二さん見たく吸込するのか気になる。
交通アクセス、東京駅八重洲中央口からダイレクトバス、茂原駅 大網駅 本納駅から Suica付き小湊バス。
テニスできるから、余生遅れるかもです。