不動産投機

原野商法

呪いの投機型分譲地 -地目は農地、課税は宅地- ①

 千葉県多古町は、空港周辺の自治体の中でも、原野商法的に販売された分譲地が特に多い自治体のひとつである。雑木1本切り落としていないような山林を、ただ分筆して切り売りしただけの分譲地もあれば、一応は道路の築造こそは行った形跡は見られるもの...
富里市

限界分譲地の隣地購入のお手伝い

 少し前の話になるが、富里市のとある限界分譲地に住む、僕のTwitterのフォロワーさんであるAさん(仮名)から、自宅の隣の空き区画(35坪ほど)を購入したいので、お手伝いをしてほしいとのお申し出を頂いた。おそらく70年代頃に開発された...
放棄住宅地

東金市滝沢 埋もれた廃分譲地(物理)

 先日YouTubeで公開した動画のコメント欄で、視聴者さんより、「昔と今の航空写真観てたら、東金市滝沢の日吉神社南に、舗装された造成地っぽい所があり、現在は森になってます」との情報提供を頂いた。もしご存知でしたら話をお聞きしたい、と仰って...
原野商法

横芝光町遠山 入口を塞がれた放棄分譲地

   巷で一般的に言われる「原野商法」の土地というものは、単に公図上でのみ、あたかも住宅地であるかのように分筆・区画割りがしてあるだけで、現地では一切の造成工事も行なわれていない原野や山林のままであるのが通例である。図面上では住宅地のよう...
成田市

成田市小野 竹林に破壊される放棄住宅地の再調査

 すでにお知らせなどでも通知しているが、僕は今回、改めて動画チャンネルを創設し、放棄分譲地の紹介動画を作成して公開した。これまで人から奨められる機会はあっても、積極的に取り組むこともなかった動画作成を、ここに来て突然始めた理由は、色々な...
放棄住宅地

横芝光町母子 欲望が渦巻いた水田地帯の放棄分譲地

 北総に限らず現代の郊外や地方部では、旧来の市街地が商業地としての求心力を失う一方、幹線道路沿いなどに残されていた、元々水田などの農地だったところに大型の商業施設が進出し、その周辺に新たな市街地や住宅地が形成される光景がごく一般的なもの...
放棄住宅地

横芝光町木戸 電気なし・上水道完備の放棄住宅地

 横芝光町は、僕が知る限りでも、家屋が一棟もない小規模な放棄分譲地の多い町である。区画数にして10〜50区画程度の、すべて空き地のまま放置されている分譲地は、現地に出向くまでもなく、グーグルマップや国土地理院の空撮写真を念入りに観察して...
旧サブブログ: 海辺の限界分譲地

建築不可の分譲地

 メインブログの開設当初に、僕は山武市内のある放棄分譲地の記事を投稿したことがあった。そこは、家が一軒もなく住民がいない代わりに、馬の飼育が行われていた(もういないらしい)という珍奇な分譲地で、当時の僕は、こんなところに住む人いるのか、とい...
旧サブブログ: 海辺の限界分譲地

プロパンガス対抗策

 僕が住む横芝光町は、都市ガス網は一切配備されていない。千葉県は天然ガスの湧出量が多く、自宅の近所でもガス田の設備は所々で見かけるが、あいにく地元はその恩恵を受けていない。  そのため、自宅でガスを使う場合は否応なしにプロパンガスを選...
旧サブブログ: 海辺の限界分譲地

放棄区画

 我が家のある分譲地の総区画数は43区画。家屋は7戸で、我が家も含めて4戸が常住、1戸が別荘として利用中、残りの2戸は、一応別荘や会社の保養所のはずなのだけど、僕も妻も、近所の人も、実際に使われている光景は一度も見たことがなく半放置状態だ。...
東金市

万策尽きて山河あり

 久々の更新になる。仕事が立て込んでいて、なかなかこのブログの更新に時間を割くことができないどころか、管理画面にアクセスすることもない日が続いていた。更新は行わなくとも、実は今でも限界分譲地は定期的にあちこち訪問してはいるのだが、それは...
B級別荘地

持たざる者はどこへ行く

 新型コロナウイルスの蔓延がもたらした世情の変化によるものなのか、それとも元々そのような流れにあったのかは、僕にはわからないのだが、当ブログの開設当初と比較しても、北総の不動産市場はすっかり様相が変わってしまった。かつては常に物件サイト...
佐倉市

【番外編】佐倉市坪山新田 違反建築が横行する市街化調整区域の分譲地

 このブログで紹介している分譲地が位置する北総の自治体の大半は、今も市街化区域と市街化調整区域の区分けが行われていない、所謂「非線引き」区域に属している。線引き済みの自治体における市街化調整区域の建築制限は厳格なもので、北総の自治体には...
原野商法

疲労する不動産登記情報

 宝島社が発行する『田舎暮らしの本』2021年2月号誌上における企画「第9回住みたい田舎ベストランキング"子育て世代が住みたい田舎部門"」において、全国第8位にランクインしたという香取郡多古町。多古町はそれ以前よりも、成田空港に近接した...
放棄住宅地

茂原市弓渡 詐欺の道具として使われた分譲地

 先日、僕は「限界分譲地に跋扈する違反業者」の記事の中で、かつての原野商法の被害者だけでなく、一応は住宅用地としても使われている限界分譲地の不在地主もまた、不誠実な業者のターゲットにされてしまっている実情をお伝えした。長年塩漬けにした分...
原野商法

限界分譲地に跋扈する違反業者 後編

※前編からの続き  昨年の末頃の話になるが、成田市内のとある分譲地に位置する物件を所有する僕の知人の元に、東京都中央区に本社を構える不動産業者のA社からパンフレットが届いた。複数の土地家屋を所有・管理する知人は、これまでにも前編で紹介した...
原野商法

限界分譲地に跋扈する違反業者 前編

 1970年代に横行した、都市部から遠く離れた無価値の原野や山林を、あたかも未来の開発予定地であるかのごとく装って分譲・販売し、多くの被害者を出した原野商法。人跡未踏の原野に託した資産形成の期待は大きく裏切られ、今や所有地の訪問は言うに及ば...
八街市

総武台団地

 先日、別の記事の執筆にあたり、過去の新聞報道記事を参考資料として引用するため、図書館に赴いて朝日新聞や読売新聞などの全国紙の縮刷版に目を通す機会があった。その際気付いたのは、70年代から80年代にかけての新聞紙面広告、それも週末のものは、...
山武市

山武市松尾町古和  農村集落の合間に出現した「ニュー集落」

 70年代半ばから開発が始められた千葉県の限界分譲地は、既存の農村集落からは離れた山林や田畑の片隅に位置するものが多い。元々は土着の地主が所有していた山林や農地を、開発業者が取得して開発を進めたものだが、地主にしても、自宅から近い田畑や...
原野商法

【資料】開発ブームに紛れた「原野商法」 (読者様提供情報) 2020年7月5日加筆更新

 当ブログにおいて紹介している、千葉県の限界分譲地の多くは1970年代の開発・分譲である。実際に造成工事が開始されたり、また宅地として一般の住宅取得者に利用されるまでには分譲地によって違いがあるが、事業の計画自体は、多くが開発ブームに沸...
お知らせ

【総訪問者数20万人達成記念】20万円の限界分譲地探訪記

 突然のご報告となりますが、おかげさまで、当ブログは2020年5月22日付で、総訪問者数が延べ20万人に到達しました。開設からおよそ2年半、どこに需要があるのかもわからないまま細々と更新を続けてきましたが、地域の文化や名物を何ひとつとし...
成田市

成田市川上・新田  空港反対闘争の最前線に出現した分譲地

 壮絶を極めた成田空港建設反対運動の歴史において、今日もなお語り継がれる、もっとも凄惨な事件のひとつに「東峰十字路事件」というものがある。これは空港建設予定地の第2次強制代執行が開始された1971年9月16日、成田市天神峰において空港反対派...
成田市

1987年の限界分譲地の折込広告

 当ブログは原則として、今現在の限界分譲地の模様と問題点をお伝えするというスタンスなので、例えば当初の開発業者名など、既に過去の時代のものとなった情報の収集にはあまり主眼を置いていないのだが、記事によっては多少は歴史的経過に触れる必要が...
山武市

成東白幡ニュータウン

 当ブログでもたびたび訪問している千葉県山武市は、2006年に旧来の成東町、松尾町、山武町、蓮沼村の4町村が合併して誕生した新しい市である。合併前の4町村はいずれも農業を基幹産業とした人口規模の小さな自治体であったが、4町村とも80年代から...
良好な住宅地

はにわ台団地/ハニワ台ニュータウン

【はじめに】  この記事は、当ブログの開設間もない時期に作成した古いものですが、先日、コメント欄にて、当団地の住民の方から、記事内におけるいくつかの錯誤のご指摘を頂きました。改めて読み直してみると、その錯誤を修正するには、事実上書き直しに...
旧光町

限界分譲地の使い道を模索する

 当ブログでは、これまで千葉県の郊外に散在する、ほとんど需要のなくなった「限界分譲地」に的を絞って探索してきた。それらの分譲地は、もちろん当初から住宅用地としての利用を想定して開発されたものもあるが、既に繰り返し述べてきたように、多くの場合...
八街市

八街市朝日  僕が暮らした限界分譲地

 私事になるが、僕たち夫婦が、東京の江東区から八街に引っ越してきて約2年。貸家の更新時期が近づいてきたところで、僕たちは先日購入した芝山町の土地の近くに改めて別の貸家を借りることになり、今回、これまで暮らしていた八街市朝日の貸家を引き払...
B級別荘地

旧蓮沼村(山武市蓮沼) 人気のレジャー施設周辺に散らばるB級別荘地

 山武市の蓮沼地区は、元は山武郡蓮沼村と呼ばれた一自治体で、2006年、周辺の山武町・成東町・松尾町と合併して消滅した山武郡最後の村制自治体である。1889年に蓮沼村が発足して以来、一度も周辺自治体と合併することなく細々と村制を続け...
富里市

富里市十倉  賽の河原の石積みを放擲した分譲地

 北総や外房方面の限界分譲地の光景を特徴づけるもののひとつとして、空き地に立てられた草刈り業者の看板がある。投機目的で分譲されたこれらの未利用宅地は、所有者のほとんどが遠方(印象として、東京と神奈川が多い)に住んでいて、しかも分譲から長い年...
芝山町

NAAの苦難

 僕がこのブログで紹介している分譲地は、首都圏の一般的な郊外型住宅団地と異なり、都心への通勤を想定して開発されたものではなく、北総に限って言えば、70年代に成田空港の開港を見込んで投機目的で開発されたものがほとんどだ。であるから、そもそも都...
B級別荘地

横芝光町木戸 海水浴場を失った海辺の分譲地

 千葉県北部の太平洋側沿岸には、既に語るまでもなくご存知の通り、九十九里浜と呼ばれる、およそ60㎞にも及ぶ広大な砂浜が広がっている。夏になれば、その砂浜の各所で海水浴場が設置され、関東各地から行楽客が訪れるマリンレジャーの一大スポットとなる...
お知らせ

横芝光町宮川 川沿いの分譲地再訪  読者からのご意見に対する訂正と反論

 2017年の12月に、僕は横芝光町の宮川にある分譲地を訪問して記事を一つ投稿した。それからしばらく当該記事には、一つのコメントも付くことなく、また一時的にアクセスが急増することもなく、僕自身その記事自体を忘れていたものであるが、つい先...
山武市

山武市板中新田 太陽光パネルの脅威にさらされる分譲地

 少し前に、僕は自分のTwitterで、近隣に太陽光パネルが設置されてしまった分譲地の写真をいくつかアップしたら、予想もしなかった反応を頂いた。分譲地内の空地に太陽光パネルが設置されている光景は北総ではごくありふれたもので、その無神経極まり...
八街市

八街市上砂  農道の奥深くに眠る放棄住宅地

 北総の分譲地の更地によく看板を掲げている草刈り業者の一つに「ニチエイ建設(日栄不動産)」という会社がある。多くの草刈り業者の売地の物件広告が、ただ地積と価格を羅列しただけの、所在地の特定も難しい横着な広告であるのに対し、日栄不動産のそれは...
成田市

成田リバティ55団地

 旧大栄町は、平成大合併の際、芙蓉邸街やパレスガーデン成田を抱える旧下総町とともに成田市に吸収合併されて消滅した自治体である。郊外型のロードサイド店舗が集まる商業エリアもない小さな町であるのは下総町と同じだが、下総町と異なり旧大栄町域に鉄道...
放棄住宅地

芝山町山田  空港会社の敵と化した放棄住宅地

 成田空港の南側に位置する芝山町は、周辺自治体と比較して分譲地の数が少ない。元々芝山町は人口は7500人しかおらず、まるっきり村レベルの小さな自治体で、中心市街地である役場周辺の地域も一集落程度の趣なのだが、やはり空港の近さもあって工業団地...
匝瑳市

原野商法の土地の特定は可能なのか

 全国の都市近郊で宅地の乱開発が進められていた1960~70年代、大きな社会問題となった原野商法。地方の、ほぼ無価値に近い原野や山林を、あたかも大規模な開発予定地であるかのごとく騙って、公図上で細かく分筆しただけの見せかけの分譲地を法外...
成田市

にっぽり団地

 にっぽり団地は、成田駅から空港を超えておよそ12km。旧大栄町の東関東自動車道からほど近い丘陵の先端にある、総区画およそ100区画程度の小さな住宅団地である。自治会名やバス停では平仮名表記の「にっぽり」だが、漢字では東京の同名の地名同...
山武市

山武市埴谷 雑木林に覆われた分譲地

【追記】2023年1月現在は、当分譲地は周辺の雑木林の伐採が進み景観が大きく異なっています。  山武市は北総地域の中でも、小規模なミニ分譲地が乱立する自治体の一つである。旧山武町時代に、森や雑木林を切り開き、あるいは田んぼや沼を埋め立...
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