Twitterでは既にお知らせしているのだが、僕は現在私用で千葉を離れていて、限界ニュータウンの探索ができない。そこで今日は「こぼれ話」などと勿体ぶったタイトルで、さもここでしか聞けないような裏話であるかの如く装ったうえで、本来ならばブログに出す価値もないようなボツ画像を「未公開写真」と言い換えて少しずつ消化していこうと思う。
・ビバランド団地の元売家
大分前のことになるが、成田市成井のビバランド団地で一軒の売家がYahoo不動産に掲載されていた。取り扱いはなぜか神奈川の某大手フランチャイズ系仲介業者で、築25年程度の75㎡程度で、駐車場が2台分なのはいいのだが、お値段はビバランドではかなり強気の600万円であった。
買う気もなかったのだが、物件情報に写真も何もなかったので一応資料を請求したところ、どうやらノルマが厳しいのか、それからしばらくの間、ほぼ連日営業の電話が掛かってくるようになってしまった。それから一年近く経ち、既に物件情報も消えていたので成約したのかと思いきや、今回ブログを書くために久々にビバランドを訪問したところ、相変わらず空き家のままであった。それが上の画像の家である。
成田のこの辺りで、同じ程度の床面積、築年数であれば250万円~300万円程度でたまに見かけるので、売り止めにした理由は定かではないが、正直600万円では買い手を付けるのは難しいと思う。
ところで県外の仲介業者と言えば、ビバランド団地の探訪記の本文中で、大阪の仲介業者の土地を少し紹介したが、後にあの仲介業者の売物件をサイトで見たところ、Googleのサジェスト機能でいきなり「〇〇不動産 詐欺」などと不名誉な予測表示を出されていたのはともかくとして、ビバランドで坪単価7万円以上の価格設定と、なかなかのチャレンジャーぶりであった。
別に僕は成田の仲介業者の回し者ではないのだが、この辺りの不動産の査定を、あまり都会の業者に頼むのは得策ではない気がする。都会の地価に慣れた人が、いくら彼らの感覚で安めに見積もっても、更にそれより一桁下げないと売れ残る可能性があるのが、北総の不動産である。実際、安い土地は坪単価数千円だし。
・にっぽり団地の空き家
成田市のにっぽり団地にはいくつかの空き家があるが、上の画像に写る2軒の家屋はともに空き家である。左側の家屋はそれでもまだ状態は良いが、右側の家は見ての通り蔦に覆われひどい有り様で、しかもナンバーの付いた車が駐車場に置かれたまま朽ちていたことから、ちょっと事情のある空き家と思われるが、まあ個人の事情は深読みはしないでおこう。
ここは接道が北西側の区画で、蔦が絡んだ方の家屋は、南東側に別の家屋が建ち、日当たりがまったく望めない。本編中でも触れたようにここは一区画当たりの面積が狭く庭のない家が多いので、家屋は隙間なく建てられている上、街路も狭いので、接道方向が悪い家は日照も悪い。
いくつかの限界ニュータウンの空き家や売家を見てきてつくづく思うのは、空き家になる家、売れ残る家はとにかく日当たりの悪い家が多い、ということだ。これが利便性の高い人気の住宅地であれば、接道方向が悪くてもせいぜい多少安くなる、という程度で済むだろうが、元々地価が安い限界ニュータウンでは、接道の悪さは命取りだ。自分があまり住みたいと思えないような家は、多分他の人も大体あまり住みたいとは思わない。変なところで妥協はしたくないものだ。
・沖の最果ての分譲地
続いては八街市沖の最果ての分譲地。ここの紹介記事はなかなかインパクトがあったようでTwitterでの反響も頂いたが、こうして改めて路面の画像を見てみると、私道の管理の難しさを痛感させられる。特にこの程度の規模の分譲地では、共有設備もないので(あったらあったで色々問題が起こるが)管理組合などあるとも思えず、なかなか土地所有者の意見の取り纏めは困難なのではと思う。
さて本文中で、以前ここの貸家を下見に来たことがあると述べたが、その貸家が上の画像の左側の家屋である。既に居住者がいるので公開するのも気が引けるのだが、それでも書いたのは、ここの分譲地をGoogleのストリートビューで見てみると、この貸家のリフォーム前の状態が写されていて、それこそ廃屋になりかけていた状態だったので、流石に築年数の古さは隠せないものの、こうして貸家として復活した状態もお見せしたかったのである。新しい居住者も決まり、きっと家も喜んでいるはずだ。
しかし残念ながらこの貸家の南側の区画にある空き家は冬でもこの有り様だ。この家は一年中笹藪に深く覆われた状態で、一体どのような家屋なのか、僕もまだ確認したことがない。限界ニュータウンの売家のもうひとつの特徴として、隣に荒れた空き家があることが多い、という点である。確かに、まったく手入れされていない空き家の隣に住むのはちょっとためらわれる。
だが、これからの日本で、すべての空き家の再利用など物理的にも難しい。僕は別にコンパクトシティ推進論者ではないが、確かにどこかのラインで、「まち」の取捨選択を迫られる場面も出てくるのではないか、とは思う。この最果ての分譲地で、隣り合った区画の、一方が貸家として復活し、もう一方は放置され、朽ち果てていく。果してどちらが今後のまちづくりにおいて正しい選択なのか、僕は答えを出せていない。
と言うことで、何かほとんど空き家の話になってしまったが、一応これは穴埋めの記事ということで、実は探索の度に未公開の画像はどうしてもいくらか出てしまうので、機会を見つけてはこうしてボツ写真も紹介していこうと思います。
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