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 先日、読者の方より、僕が所有する横芝光町木戸の物置用地からも遠くない別の限界分譲地に、44坪で10万円の売地情報が、レインズ(不動産流通標準情報システム)に掲載されているとの情報を頂いた。物件広告には100万円の売値が記載されているのだが(追記:現在は修整済み)、但し書きで現在は10万円という売値が呈示されている、とのことであった。

 木戸で44坪で100万円という価格では、待てど暮らせど買い手が付かないのは仕方ないにせよ、それにしても、誰も指値もしていないうちからいきなり10分の1まで落とすとは随分と思い切った値下げだが、実際のところ10万円の売値となると、おそらく諸々の手数料を仲介業者に支払ったら、売主の手元にはほとんど現金は残らないと思われる。数十万円程度で取引される千葉の限界分譲地は、僅か5%の法定の仲介手数料だけでは業者も商売にならないので、取引が成約した際は、仲介手数料は満額買主が負担し、売主側からは広告掲載料の名目などで別に手数料を徴収する(往々にして仲介手数料より高い)のが慣例化しているためだ。売主の方にしてみれば、事実上、無償譲渡に近い価格である。
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レインズに掲載されていた売地情報(のちに価格表記が修整されたもの)。(地図上で矢印で示された箇所は誤りで、所在にも大字が記載されていませんが横芝光町木戸で間違いありません)

 僕はこれまで、一般の物件サイトでは、横芝光町の売地でここまで値を落としているものは目にしたことがなく、僕自身の所有地(30坪)も、約1年前に20万円で購入したものである。自分としては安く買えたつもりで満足していたのだが、それが購入後僅か1年で、近隣の資産価値が半値以下まで暴落するとなるとさすがの僕も心穏やかではない。ちょうど物置用地の整備のために木戸まで行く用事があったので、ついでにこの10万円の売地を見学してみることにした。
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分譲地前の町道。幅員は広く走りやすい。

 分譲地は地図でも記されているように、田んぼの合間に1本だけ直線の私道が敷かれ、その南北に各区画が並ぶだけの小規模なものだが、そこに至るまでの町道は幅員も広く、交通量も少ないので走りやすい。周囲は古い連れ込み宿の廃墟がある他は水田と分譲地しかなく、例によって利便性は0だが日当たりは申し分ない。

 問題の売地は分譲地の一番突き当たりの北東側の区画になる。物件広告の地図には3戸の建物が記載されているが、情報をご提供いただいた読者の方曰く、最近になって売地より私道を挟んで南東側の区画に新しく建物が建てられた、とのことだ。住民の方のものと思われる駐車車両が数台見えるが、それでも横をすり抜けられる程度の幅員は確保されている。
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分譲地の近くに残されている古い連れ込み宿の廃墟。
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分譲地の入口より奥を望む。突き当たり左側の区画が10万円の売地。
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私道の幅員は、限界分譲地としては決して狭くない。

 雑草が刈られよく管理された2区画の空地には仲介業者の看板が立てられているが、八千代市内の業者で、この辺りでは見慣れないものだ。僕は今のところ、横芝光町に限らず、他の限界分譲地で、この業者の看板が立てられていた空き地を見たことはない。一般の仲介業者であるようだが、草刈り業務も兼務しているのだろうか。
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八千代市内の仲介業者の看板。土地はよく手入れされている。

 建物は、一般民家と思われるものが1棟ある他は、いずれも別荘と思われる簡素なものだが、確かに一番突き当たりにある家屋は、まだ新築して間もないと思われる綺麗で可愛らしい平屋の建物だ。ちなみに私道突き当りにはゴミ集積場が設けられていたが、何故か使われている様子がなかった。この位置ではパッカー車の転回が難しいためであろうか。ゴミ集積場が袋小路の最奥部に設置してあるというのも、よく考えれば妙な話である。
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分譲地内にある別荘風の建物。
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画像右側の建物が、最奥部の新しい住宅。売地は道路を挟んでその左側の区画である。
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分譲地突き当り。左側が売地。ゴミ集積場も見えるが使われていない。


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10万円の売地。草刈りはされておらず蔓が伸び放題である。

 新しく家屋が建てられたと言っても平屋なので、日当たりの良さにはさして変わりはなく、確かに売地は草刈り業者の手が入ることもなく蔓が伸び放題の荒れ地であるが、これだけならまあ遊び用地としては10万円でも悪くない気がしてしまう。だがもちろん、そこは10万円ということで、その安さには理由がある。これも既に読者の方から事前に聞かされていたことであり、また広告に掲載されている航空写真を見てもすぐに分かることなのだが、この売地の隣接地は太陽光パネル発電基地である。それ自体はよくあることだが、問題はこの発電基地を運営していた業者は既に倒産していることである。
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隣接地は、既に倒産した事業者の太陽光パネル発電基地跡。

 発電基地にはフェンスが設けられているが、既にそのフェンスも蔓に覆われ、引き込み電柱にまで蔓が絡みついている。太陽光パネルも既に雑草に覆われてしまっていて、現在は未稼働である。現在の所有者は誰なのかは調べていないが、今の時代に銀行がこのような限界分譲地を担保に融資を実行するとは思えず、倒産した業者の名義のままだとしたら、事実上所有者不在の状態で、現状では取引不能であり最悪である。
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 仮に運良く実在の個人の所有であったとしても、これだけの数の太陽光パネルの処分となればそれなりの費用を要することが見込まれるので、土地の売却価格はその処分費用を見越した金額でなければならない。しかしこの分譲地は、既に述べたようにパネル処分の必要がない隣地が、現在44坪で10万円の大バーゲンセール続行中なので、これではそのまま修復して発電事業を引き継ぐ方が現れない限り転用の見込みは薄いと思われる。

 そうは言ってもこの売地は分譲地の東端に位置し、その先は水田であるため、地盤の面では不安も残るが、既存住宅の狭間に残されたような空地よりは開放的な環境が望めるとは思う。もし、僕まだ横芝光町の土地を所有していなかったら、あるいはこの土地も検討していたかもしれないが、あいにく僕は既に同町内で購入済みであり、しかもその土地の雑草の処理に追われている有様なので、近いと言っても歩いて行くには遠いこの分譲地で、とても更地をもう一区画買う気にはなれないのが正直なところである。
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周囲はいくつかの別荘が点在するほかはほとんど水田で、開放的な環境ではある。

 ただ、もし読者の方で、この土地にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ブログに掲載した物件広告は業者名を省いてありますが、手元には元の広告画像を保管してありますので、Twitterなどでご連絡いただければ業者の連絡先をお教えすることは可能です。ただし千葉県内の業者ではないので、どのような手法で取引が進むかはこちらでは判りません。


限りなく無償に近い分譲地へのアクセス

横芝光町木戸10027-13