東金市滝沢 万策尽きたミニ分譲地

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滝沢 万策尽きた分譲地 (8)

 東金市の滝沢は、東金線の東金駅から北西におよそ9㎞。以前紹介した極楽寺地区同様、やはり八街市との境に位置する静かな農村地帯である。しかし滝沢の場合、総武本線の八街駅からも8㎞ほどの距離があり、隣接する八街側もかなりの僻地のため、周囲は農家の他は工場や資材置き場、ラブホテルが点在するばかりで物販施設は皆無に近く、最寄りのバス停は九十九里鉄道バスの八街線(滝台経由)がわずかに1日1本やって来るのみ。この辺りは八街~東金間でもっとも人口密度の少ないと思われるエリアである。しかしこんな所でも、山林を切り開いて造成された小規模なミニ分譲地が点在する。

 国道409号線から建築機械の製造工場の脇道に進入して少し進むと、今回紹介するミニ分譲地はある。周囲には同程度の規模のミニ分譲地が他にもいくつか点在しているが、ここはその中で最も空地の多い分譲地で、合計30区画弱程度の分譲地に、建てられている家屋は現在4棟のみ(井戸の跡が残されていた宅地があったので以前はほかにも住宅はあったようだが)。周辺は小高い木立の林で、山林を切り出して造成したことが一目瞭然の、北総でよく見かける典型的なミニ分譲地だ。前面道路沿いの区画に、小さな菜園が造られている。

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4棟の家屋が建つ典型的なミニ分譲地。

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分譲地背後に杉林が迫る。

 分譲地に入ると、いきなり草木に覆われた空き家が目に入る。建物の状態は悪くなく、駐車場に車が進入しているような形跡もあることから、管理はされているのだと思うが人は住んでいない。敷地内に縦列で2台駐車可能であり、なかなか日当たりも良さそうで、バルコニーも広くて使いやすそうなのだが、やはり立地が不便なことがネックなのであろうか。空き家になる事情は様々なのであまりとやかくも言えないが、やはり勿体ない気がしなくもない。再利用の予定はないのであろうか。

滝沢 万策尽きた分譲地 (2)

無住ではあるが、傷みは少ない空き家。人様の家を勝手に寸評するのもなんだが、使い勝手は良さそうだ。

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玄関側は門扉に蔦が絡まっている。

 続いて奥に進むと、駐車場にゴミが山積みとなった家屋が目に入る。こちらも空き家かと思いきや、「入居者募集 21ハイツ」と書かれた看板が掲示されている。一見すると一般の戸建住宅であるがどうやらアパートのようだ。北総では、バブル期の一軒家を改装して、上下階で各1世帯ずつのアパートとして転用されている物件をたまに見かける(玄関は共用で、中で入口が分離されている)。

 

 しかしこのアパートは、見るからに処分に手間がかかりそうな不燃ゴミが敷地内に汚らしく散乱していて、これで入居者募集とか言われてもヘソで茶が沸くだけである。利用価値のなくなった家屋をアパートに転用してみたものの、思うように収益が上がらず経営意欲をなくしてしまったのだろうか。1回は間違いなく空室で、2階はバルコニーに荷物は置かれているものの、果たして居住者がいるのか判然としなかった。ゴミのせいで駐車スペースもない。

 また、このアパートの北側には、旗竿地に建てられた家屋があり居住者もいるが、このゴミだらけのアパートに南側を塞がれ、日当たりは悪そうであった。

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一軒家を改築してアパートに転用した家屋。

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駐車スペースにゴミが散乱して、入居者を募集する意欲が微塵も感じられない。

 ゴミの山を横目にさらに進むと、隣地は売地であった。しかしこの分譲地は草刈りも行われていない未利用地が多く、雑草が街路まで伸びて全体的にすさんだ印象だ。残る1軒の家屋は居住者がいたので撮影は控えたが、この家も、正直言ってあまり敷地内を適切に管理しているとは言えない住宅であった。そんな雑草の伸びきった空地の中にも、草刈り業者の看板が出されている宅地もあるのだが、その中に一区画、手書きで「貸し畑」と書かれた看板の立つ土地があった。この分譲地は80年代初頭の上空写真で既に造成が完了していたことが確認できるが、次の買い手を待ち続けること30年、ついに宅地としての販売を諦め、畑用地の貸地として最後の一縷の望みを託したのだろうか。だが、あいにく借り手は付かなかったようで、もはや看板自体が雑草の肥やしと化しつつある。

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ゴミだらけのアパートの隣地は売地。

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未管理の空地が多く、雑草の中にゴミが散乱している。

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最後の手段「貸し畑」の看板。企画倒れの末、文字通り看板も倒れ、藪に埋もれ始めている。

 結局のところ、この分譲地は、造成はしてみたもののほとんど宅地利用はなされず、空き家の再利用もままならず、アパートに転用すればゴミ屋敷と化し、貸し畑としてすら需要が生まれない、ということになる。大掛かりに山林を切り開いたにもかかわらず、最後に行き着いた先が「畑」では、やってることは明治時代の開墾と変わらない。分譲地の前の側溝も土に埋もれ、既に排水機能もない。詳しくはまた別の記事で紹介するが、こんな分譲地を市内各所に抱えながら、東金は今でも住宅団地の造成が止まらず続けられているのだから、街の先行きを考えると全く暗澹たる気分にさせられる。

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土に埋もれた側溝。

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畑としての需要もなかった造成地。開発の時代の遺物とは言え、北総は無駄な分譲地が多すぎる。

万策尽きたミニ分譲地へのアクセス

東金市滝沢
・千葉東金道路東金インターより車で8分
・総武本線八街駅より九十九里鉄道バス「八街線(滝台経由)」 「板橋」バス停徒歩5分(1日1本)

コメント

  1. プリンパン より:

    千葉テレビで少し前に東金市での分譲地を取り上げた番組を放送していました。
    万策尽きた分譲地が同じ市内にあるのに。。。
    動物で言えば「ペットショップに行く前に
    “保護猫を家族に迎える”ことを考えてみてください」みないな感じでしょうか。
    無関係ですが、外記林の家の給湯器が寒さで凍結したためか壊れてしまいました。
    プロパンガス会社に頼むと高そうなので、価格.comで工事までしてくれるところを検討中です(泣)

  2. 吉川祐介 より:

    こんばんは。
    僕は千葉テレビのその放送は未見ですが、この分譲地と同時に見てきた別の住宅団地は、詳細はまた後日記事にいたしますが、今の時代にこれかよ…と言いたくなるような大規模なものでした。ペットの例えはとてもしっくりくる例えだと思います。東金のような小さな自治体では、地元業者や地主を抑えきることも難しいのかもしれませんが…。
    最近は八街も寒いですが、成田も寒そうですね。井戸ポンプなども、知人の家で故障した際は、急いで修理したためにかなり高額の費用を取られたそうですから、お急ぎでしょうが業者選びは慎重に行った方がよさそうです。僕の家は貸家ですが、それでも故障は困る。

  3. ゆう君 より:

    東金市の高齢化と人口減少には不安しかありませんね。無駄な道路や宅地造成をするなら、もっと違う事にお金をかけて欲しいです。下水の整備やら水路の清掃です。目先の利益で税金を使って欲しくないです。環境を壊しても欲しくないです。

  4. 吉川祐介 より:

    @ゆう君さん
    僕の住むお隣の八街も人口減少は進んでいますが、東金は移住者を呼び込む一方で、昔ながらの住宅団地を今でも広げているんですよね。家屋ばかりズラリと並んだ住宅街は、もともと地元に住んでいる方は快適でも、都会からの移住者向きではない気がして仕方ないのですが…。東金は八街と違い、商業エリアも一か所に集中していて、西口側は寂しいですが東口側は区画もきれいに整理され、高速バスも多く路線バスもまだ健在で、地方都市としてのポテンシャルは充分あるのに、なんだかもったいない話だと思います。

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