防犯カメラ

旧サブブログ: 海辺の限界分譲地

 僕はブログやTwitter上で、自分の本名を公開して活動している。それは「限界ニュータウン探訪記」が、そのすべてが住民の方の許可を得て公開しているものではなく、文字通り土足で他人の生活空間に入り込むブログなので、自分の身元ばかりひた隠しにするのはフェアじゃないと考えたからなのだが、同時に僕は自分の暮らす環境に関してもよく発信しているので、考えてみればひどくリスクのあることをしている気がしなくもない。

 もっとも、真にそのようなリスクを気にすべきは、犯罪被害に遭いやすい若い女性や資産家であって、もっと有名なYouTuberの方でも、本名や所在がバレている方はいるし、僕みたいな素人ブロガーが気にするほどのことではないのかもしれないが、例えば僕が今後、吉野家の紅生姜に鼻クソを混ぜる模様を発信して炎上したりすれば、5chで容易に自宅を特定されてしまう程度の情報はすでに公開してしまっている。

 そこで、先日の旅行で自宅を留守にする機会もあったので、玄関前に防犯カメラを設置することにした。限界分譲地は家屋が少なく開放感があるのは良いけれど、そのぶん人目が少なく空き巣のリスクが常にある。

 今のところ我が家では空き巣の被害に遭ったことはないけれど、昔、大網白里の中古住宅の購入を検討していた知人に同行して、物件の見学を行っていたときに、案内された別荘物件の窓ガラスが割られて荒らされていた光景を見たこともある。我が家のある分譲地も、側溝のグレーチングのいくつかは盗まれて失われている。やや物々しい雰囲気になるかもしれないが、用心するに越したことはないという気もする。

 購入した防犯カメラは中国メーカー品の8000円程度のものだが、これが恐ろしいほどの高性能であった。耐久性はまだ未知数だが、機能面で言えば、画質が鮮明なのは言うまでもなく、夜間の暗視映像も良好、自宅のWi-Fiと接続することによって、スマホアプリでリアルタイムにカメラの映像を確認することも可能で、カメラの向きを遠隔操作することもできる。

 撮影範囲内に何か動作するものが映れば、カメラが検知してアラートが鳴り、指定したメールアドレスに撮影した画像が届くので、万が一カメラを壊されて盗まれても、直前までの証拠画像は保全される。

 真に恐ろしいのは人体検知機能で、カメラが人の形を検知すると、人物の動きに合わせて自動でカメラが追尾して撮影を続け、もちろんその画像もメールで送信されてくる。今はこれが常識なのかもしれないが、なんと言うか、監視社会まっしぐら、というような代物で、冷戦期の東側陣営に、こんなカメラがもしあったとしたら、どんな無惨なことになっていただろうかと、ちょっと背中が冷たくなってしまう。

 しかし実際に使い始めてみると、外出先でアラートが鳴って、メールで送られて来る画像を見ても、昼間は郵便配達か宅配便のトラック、夜間はタヌキや野良猫ばかりで、記録されているのはいつもの平和な日常風景ばかりであった。

 しかもなまじ高性能であるばっかりに、時には飛び回る虫の姿を捉えて撮影したり、強風の日は、風にたなびくススキに反応してアラートが鳴りっぱなしだったりする。正直言ってうっとうしいけど、カメラを止めるわけにもいかず悩ましい。

 特になにか不穏なことがあったわけでもないのに、ちょっと過剰防衛かなという気がしなくもないけど、まあ、防犯カメラなんてものは警察と同じで、出番がないに越したことはないのだからこれでいいのだろう。僕が暮らす限界分譲地は、昭和の遺物みたいな残り物だけど、それに最新の技術やサービスを組み合わせて、開発当初は想定もしていなかったような新しいライフスタイルを、これからも模索していきたい。

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