雑草を刈る

　季節はいつの間にか春となり、度々の雨で我が家の庭もすっかり雑草まみれになってしまっていたので、今年初めての草刈りを行った。

　昨年は仕事が忙しく、庭や所有地の整備もままならなかったので、すべて除草剤で対応していた。ところが、昨今の原材料費高騰のあおりを喰らっているのか、一番価格が安かったスーパーセンタートライアルの除草剤も、昨年より100円値上げされてしまった。

　値上がりしているのはガソリンも同じなのだが、刈払機も、たまには動かさなければ調子も悪くなりそうなので、今日は気分転換も兼ねて、あえて刈払機を使うことにした。

　刈払機の作業は重労働で、扱いを誤れば危険でもあるのだが、この草刈りを行っている時間というのは嫌いではない。草を刈っている間は夢中で、なぜか仕事の話とか、他のことはどうでもよくなってくる。

　このまま静かに（エンジン音はうるさいが）、春は草木の相手をしながら、残りの人生は穏やかに過ごしていければいいなとか考えながら、無心に腕を動かしていると、やがていつの間にか周囲はスッキリと綺麗になっている。この爽快感は何物にも代え難い。

　とは言っても、そんな呑気なことを言っていられるのは、気候が穏やかな今だけである。これが真夏ともなれば、炎天下の刈払機の操作はただひたすら過酷なだけで、つい己に負けてトライアルの除草剤に手が伸びてしまう可能性もなきにしもあらずだが。

　ともあれ今年もまた春がやってきた。今年は本を出したり、YouTubeを始めたりと、色々生活に変化が起きそうな予感のする年だけど、草刈りはまた、公園跡の整備も含めて、いつもと変わらずこなしていきたい。