放棄住宅地

太陽光パネル基地と化した「湖沼の分譲地」跡

 2019年の8月に、僕は横芝光町に今も残されている海跡湖である「乾草沼(ひぐさぬま)」のど真ん中に開発された謎の分譲地を紹介している(参照「横芝光町宮川 湖沼に囲まれた分譲地」)。それはそのタイトル通り、四方を沼地に囲まれた陸地部分に...
B級別荘地

取り残される限界分譲地

 僕が現在暮らしている旧匝瑳郡光町(現・山武郡横芝光町。2006年に旧横芝町と合併)は、九十九里平野の自治体の中でも、特に分譲地の乱開発が進められた町の一つである。町内には今でも、高度成長期からバブル期にかけて開発された、およそ「まちづ...
お知らせ

「楽待不動産投資新聞」にインタビュー記事が掲載されました

 表題の通り、2021年6月7日公開の「楽待不動産投資新聞」に、限界ニュータウンに関する僕のインタビュー記事が掲載されました。執筆者は、当ブログ開設間もない頃よりたびたびお世話になっているライターの鳴海侑さん(Twitter: @mis...
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旧光町

限界分譲地の使い道を模索する⑤

 僕が横芝光町の旧分譲地の1区画を20万円で取得してから、まもなく2年が経過する。購入当初は足を踏み入れる余地もないほど雑草や雑木に覆われていた単なる荒れ地にすぎなかったが、草を刈ってみたり、砂利を敷いてコンテナを置いてみたり、薪棚を作...
成田市

成田市多良貝・一坪田  排水垂れ流しの分譲地

 昨今は、新型コロナウイルス蔓延の長期化が影響しているのか、北総エリアでは恒常的に格安中古住宅の品不足が続いている。当ブログ開設当初は、八街や山武周辺であれば、200~300万円台クラスの中古住宅を見かける機会は珍しくなく、そもそもその...
成田市

つつじヶ丘団地

 利便性に難のある限界分譲地がひしめく北総において、ひときわ異彩を放っているのが旧下総町(現・成田市)である。旧下総町には、八街や山武、九十九里平野で星の数ほど見かけるような、開発許可の不要な範囲に留めたミニ開発の分譲地がほとんど見当た...
成田市

成田市名木 無風の分譲地

 現在も延伸工事が続く、首都圏外縁部の環状型高規格幹線道路である「首都圏中央連絡自動車道」(通称「圏央道」)。千葉県内においては、北から神崎町から旧下総町、旧大栄町を結び、未開通区間である大栄IC〜松尾横芝IC間を挟み、山武、東金、大網...
放棄住宅地

茂原市弓渡 詐欺の道具として使われた分譲地

 先日、僕は「限界分譲地に跋扈する違反業者」の記事の中で、かつての原野商法の被害者だけでなく、一応は住宅用地としても使われている限界分譲地の不在地主もまた、不誠実な業者のターゲットにされてしまっている実情をお伝えした。長年塩漬けにした分...
山武市

「成東・南郷台」分譲地

 これまで公開した記事の中で、僕は何度か、分譲地の販売当時の新聞広告を紹介しているが、これらの広告はすべて図書館にある新聞の縮刷版を当てずっぽうに探して見つけたものを複写している。紙面広告には報道記事のような索引もなく、1か月ごとに刊行...
栄町

【番外編】郊外団地の使い道

 人口増と地価高騰、そして都市の肥大化が急速に進んだ70年代以降の日本は、単純に郊外の開発が進んだというだけでなく、そこに住む人々の住まいのあり方も大きく変貌した。幾部屋もの続き間で構成された伝統的な日本家屋は、家族一人一人のプライベートな...
原野商法

限界分譲地に跋扈する違反業者 後編

※前編からの続き  昨年の末頃の話になるが、成田市内のとある分譲地に位置する物件を所有する僕の知人の元に、東京都中央区に本社を構える不動産業者のA社からパンフレットが届いた。複数の土地家屋を所有・管理する知人は、これまでにも前編で紹介した...
原野商法

限界分譲地に跋扈する違反業者 前編

 1970年代に横行した、都市部から遠く離れた無価値の原野や山林を、あたかも未来の開発予定地であるかのごとく装って分譲・販売し、多くの被害者を出した原野商法。人跡未踏の原野に託した資産形成の期待は大きく裏切られ、今や所有地の訪問は言うに及ば...
山武市

「秋住事件」の爪痕と住まいのあり方

 今から23年前の1998年8月7日、秋田地方裁判所において、あるひとつの住民集団訴訟が提起された。原告は、秋田県からは遠く離れた千葉県山武町(現・山武市)の住民24名。被告は、秋田県、秋田銀行、北都銀行、そして、秋田杉の需要拡大を目的...
八街市

【再訪】北総ニュータウン八街台

 既にTwitterでもお知らせしているのでご存知の方も多いとは思うが、僕は今回、それまで就いていたバス運転手の職を辞して、地元の不動産会社に転職することになった。不動産のブログを書いているとは言え僕自身は不動産業界は未経験であり、特に...
八街市

この奥にアパート有り

 少し前の報道になるが、2020年9月21日付の『千葉日報』において、不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」を運営する株式会社LIFULLが、首都圏一都三県の、物件問い合わせ数の増加率を駅ごとに集計したところ、なんと八街(駅)が...
B級別荘地

山武市小松  崩壊間際の旧別荘地

 先日、当ブログ記事でもお伝えしたように、山武市は市町村別魅力度ランキングにおいて最下位の座を獲得し、早速にわかにメディアの注目を集め、テレビニュースでも特集が組まれることになったのだが、その際、山武市内の知られざる魅力として挙げられていた...
B級別荘地

魅力度最下位の限界分譲地in山武市

 先日、民間調査会社「ブランド総合研究所」が毎年行っている「都道府県魅力度ランキング2020」において、7年連続で最下位の座を死守してきた茨城県が、遂にその栄誉ある座を、隣接する栃木県に奪取されたというニュースが話題を集めた。旧大洋村を...
東金市

桜台団地

 北総ではしばしば、市域、町域のはずれに位置する分譲地を見かける。中には、はずれどころかほぼ境界線上にあったり、時には境界線を跨ぎ、同一の団地でありながら区画によって属する自治体が異なるような、住民コミュニティの分断を前提としたフザケた...
放棄住宅地

横芝光町宮川  復旧の妨げとなる放棄分譲地

 このブログは、これまで訪問した分譲地のすべてを記事にしている訳ではなく、むしろどちらかと言えば訪問しても記事にしないことの方が多い。物件広告を見て、気になって見学しに行っただけの場合はまず記事にしないし、記事にするつもりで訪問しても、...
旧光町

限界分譲地の使い道を模索する④

 前回の記事で僕は、本来は物置用地として取得した分譲地に、結局貸家を借りて住まいを確保したことをお伝えした。既に述べたように、これは当初はまったく想定していなかったことで、したがってこの物置用地は、元々は単なる売値の安さと、周辺の家屋の...
旧光町

限界分譲地の使い道を模索する③

 これまで、「限界分譲地の使い道を模索する」と題して、当ブログ上で2回にわたってその整備の状況をお伝えしてきた、僕自身が所有する横芝光町の限界分譲地であるが、今年(2020年)年初に記事を更新して以来、10ヶ月間、続報を伝えることもない...
山武市

成東松ケ谷団地

 前回の「総武台団地」の記事でも触れたように、開発ブームが始まった1970年代初頭から、バブル崩壊後の90年代初頭頃までにおける新聞紙面上の不動産広告は、そのほとんどが、今日でもその名を聞く大手デベロッパーの手による大型分譲地や分譲マン...
八街市

総武台団地

 先日、別の記事の執筆にあたり、過去の新聞報道記事を参考資料として引用するため、図書館に赴いて朝日新聞や読売新聞などの全国紙の縮刷版に目を通す機会があった。その際気付いたのは、70年代から80年代にかけての新聞紙面広告、それも週末のものは、...
B級別荘地

大洋村別荘開発小史 ーキョーエイランド興亡記ー

 1970年代の後半より、バブル崩壊後の90年代初頭にかけて、全国に類例を見ないほどの無秩序な別荘地の乱開発が進められてきた茨城県旧鹿島郡大洋村。それは開発ブームのさなか、次々と村外業者の手に渡った山林が、折からの別荘ブームに乗じて首都...
旧光町

横芝光町木戸  限りなく無償に近い分譲地

 先日、読者の方より、僕が所有する横芝光町木戸の物置用地からも遠くない別の限界分譲地に、44坪で10万円の売地情報が、レインズ(不動産流通標準情報システム)に掲載されているとの情報を頂いた。物件広告には100万円の売値が記載されているの...
山武市

山武市松尾町古和  農村集落の合間に出現した「ニュー集落」

 70年代半ばから開発が始められた千葉県の限界分譲地は、既存の農村集落からは離れた山林や田畑の片隅に位置するものが多い。元々は土着の地主が所有していた山林や農地を、開発業者が取得して開発を進めたものだが、地主にしても、自宅から近い田畑や...
原野商法

【資料】開発ブームに紛れた「原野商法」 (読者様提供情報) 2020年7月5日加筆更新

 当ブログにおいて紹介している、千葉県の限界分譲地の多くは1970年代の開発・分譲である。実際に造成工事が開始されたり、また宅地として一般の住宅取得者に利用されるまでには分譲地によって違いがあるが、事業の計画自体は、多くが開発ブームに沸...
お知らせ

【お知らせ】「アーバンライフメトロ」に記事を寄稿しました。

 表題の通り、縁あって今回、東京都内の話題を精力的に発信するウェブマガジン「アーバンライフメトロ」に、記事を寄稿させていただきました。 寄稿記事 葛飾・足立・江戸川区はブランド化されずにひっそり残った「等身大の解放区」だ【連載】東京下町...
B級別荘地

【資料】パンフレットで見る開発当初の大洋村/ミニ別荘の外壁について

 過日、大洋村のミニ別荘を取得したことによって、読者の方より様々な反響を頂いたのだが、何より驚かされたのは、当ブログの読者の方の中には、大洋村の別荘を所有、あるいはかつて所有していた方が何人もいらっしゃったことである(ツイッターのフォロワー...
B級別荘地

大洋村の建売「ミニ別荘」ガイド ④内装

【前記事からの続き】 ④内装  それでは最後に内装の模様を紹介していきたい。この建物は床面積が約21㎡のワンルームで、バス・トイレ同室、部屋の片隅に流し台と、半間の押し入れが備え付けられている。当時の建売販売業者はどこも数種類の建物タイ...
B級別荘地

大洋村の建売「ミニ別荘」ガイド ③電気・水道・ガス

【前記事からの続き】 ③電気・水道・ガス  電気に関しては、千葉の一部の放棄分譲地と異なり、大洋村の別荘地で電気が供給されていないようなところはないので問題はない。我が家も既にスマートメーターに交換済みで、ご丁寧なことに、もはや長年利用...
B級別荘地

大洋村の建売「ミニ別荘」ガイド ①立地と周辺環境/②外構・外壁材

 現在の旧大洋村の不動産市場における中古住宅の大半は、旧所有者が別荘として建築した注文住宅である。築数年程度の築浅のものから、古いものでも築30年程度で、主要な顧客層が高齢者であるためか、現状でそのまますぐ入居できるよう、ある程度の補修・リ...
B級別荘地

大洋村の別荘を41万円で購入する

 これまで当ブログでは、数回にわたって、茨城県の旧大洋村(現・鉾田市)に残る旧別荘地を紹介してきた。それはほとんど偶然とも言っていい巡り合わせから、特に地縁もない茨城県の片田舎が、一躍当ブログの主要な探索地となったわけだが、調査に赴き記...
お知らせ

【総訪問者数20万人達成記念】20万円の限界分譲地探訪記

 突然のご報告となりますが、おかげさまで、当ブログは2020年5月22日付で、総訪問者数が延べ20万人に到達しました。開設からおよそ2年半、どこに需要があるのかもわからないまま細々と更新を続けてきましたが、地域の文化や名物を何ひとつとし...
山武市

山武市松尾町山室  農村の片隅で買い手を待ち続ける放棄分譲地

 放棄分譲地というものは、当ブログでもこれまでいくつか紹介してきている。その中にはTwitter上で大きな反響を頂いた記事もあるが、実は僕はこれまで、訪問し、実際に踏査はしたものの、結局記事にすることなくボツにした放棄分譲地がいくつかある。...
山武市

山武市小松  原野に還る旧分譲地

 成田空港の経済圏である北総台地上の限界分譲地と比較すると、九十九里平野にある分譲地は空地の比率が高い。九十九里平野に造成された分譲地は、名目としてはあくまで別荘地として販売されたものが、地価狂乱の時代に、定住用の一般住宅用地として利用...
成田市

成田市川上・新田  空港反対闘争の最前線に出現した分譲地

 壮絶を極めた成田空港建設反対運動の歴史において、今日もなお語り継がれる、もっとも凄惨な事件のひとつに「東峰十字路事件」というものがある。これは空港建設予定地の第2次強制代執行が開始された1971年9月16日、成田市天神峰において空港反対派...
B級別荘地

維持管理の差がもたらすもの【後編】  大洋村青山字広畑

【前編からの続き】  「真鍋レポート」で扱われた分譲地を離れたあとは、さらに奥の分譲地へと足を運んでみる。航空写真を見るとよくわかるのだが、この先の分譲地は、ここまで訪問した、直線の私道の脇に均等に区画割りされた分譲地ではなく、入り組んだ...
B級別荘地

維持管理の差がもたらすもの【前編】  大洋村青山字広畑

 僕自身が現在、茨城県の旧大洋村の別荘地に新たな課題やヒントを見出してることもあって、ここ数回の記事はどれも大洋村の訪問記となっているが、その記事に添えた画像のほとんどが、既に朽ち果てた別荘の廃屋が立ち並ぶ寒々しい光景ばかりなので、読者の方...
成田市

1987年の限界分譲地の折込広告

 当ブログは原則として、今現在の限界分譲地の模様と問題点をお伝えするというスタンスなので、例えば当初の開発業者名など、既に過去の時代のものとなった情報の収集にはあまり主眼を置いていないのだが、記事によっては多少は歴史的経過に触れる必要が...
B級別荘地

波打つひな壇分譲地

 当ブログでは、これまでの訪問記事の中で、特に道路との高低差が大きい擁壁上のひな壇分譲地が抱えるリスクについてたびたび言及している。先に紹介した大洋村の「電柱物件」同様、ひな壇分譲地には、良好な日照や眺望を確保しやすい、道路上から屋内の模様...
B級別荘地

宗教行事で再利用される別荘地  大洋村飯島字柊平

 当ブログの分譲地調査は、事前にグーグルマップの航空写真を利用して、街路の形状などから予め分譲地と思われる地域を選定し、ストリートビューがあれば現地の模様を下調べしてから訪問することが多いが、これまで訪問した分譲地の中には、航空写真ではいま...
B級別荘地

廉価品としての「電柱物件」 大洋村大蔵字札道山・二重作字天神平・汲上字田道

 大洋村の別荘地、それも特に70年代後半〜80年代にかけて開発・分譲された別荘地を特徴づけるもののひとつが、コンクリートブロック基礎や板張りの外壁などの簡素な建材と建築方法によって造られ、立ち並ぶ「ミニ別荘」の存在である。以前紹介した筑波大...
B級別荘地

鉾田市役所都市計画課における旧大洋村の開発別荘地についての聞き取り

 当ブログではこれまで2度、茨城県の旧大洋村(現・鉾田市)に星の数ほど散らばるミニ開発の旧別荘地を訪問し、その模様をお伝えした。既に述べているようにその様相は、昨今取り沙汰されている「空き家問題」の一歩先を行くような極めて厳しい状況で、...
B級別荘地

大洋村上幡木字四牧山・字子持出 森の奥深くの別荘地

 2019年の台風15号通過後、僕は知人の案内で、かつて別荘地の乱開発に晒され、今なお多くの廃別荘が残る茨城県の旧大洋村(現・鉾田市)を訪問したことは既にお伝えした。その光景は、それなりに千葉の限界分譲地は見慣れてきたと内心自負していた...
B級別荘地

限界分譲地の使い道を模索する②

 以前「限界分譲地の使い道を模索する」の記事でお伝えしたように、僕は現在、分譲地の探索を続ける傍らで、横芝光町の海岸近くにある寂れた別荘地を1区画入手し、物置用地として利用すべく整備を進めており、その模様はTwitter上で断片的にお伝...
富里市

立沢ニュータウン

 数か月振りのブログ更新となる。台風15号の襲来後、更新が途絶えていたことに関しては、その後に再び関東地方は台風19号や豪雨に見舞われたためとか、僕の勤務先が人材難に喘いでいて連日の長時間勤務で疲れ果てていたとか、例によって言い訳が山盛りな...
多古町

台風15号 危険空き家の倒壊と植樹の倒木リスク【後編】

 山武杉が立ち並ぶ森林地帯を抜けたあとは、九十九里平野に足を伸ばして被害状況の確認に回ったが、探索日にはすでに、平野部では停電の解消も進み、山間地で時折見られた給水所の施設もなく、一見すると平穏を取り戻しているかに思われた。  もちろん、...
山武市

台風15号 危険空き家の倒壊と植樹の倒木リスク【中編】

 【おことわり】現在、台風15号による停電の影響で、当ブログ管理者の自宅はスマートフォンのデータ通信、およびWi-Fi環境が事実上寸断されている状況のため、出先にてスマートフォンアプリを利用してブログ更新を行っております。そのため、本文を数...
八街市

台風15号 危険空き家の倒壊と植樹の倒木リスク【前編】

 2019年9月9日未明、房総半島南部より上陸した台風15号は、千葉市中央区で風速57mを観測するなど、県内観測史上最大の暴風雨をもたらし、千葉県のみならず、茨城県、神奈川県、そして伊豆諸島まで及ぶ甚大な被害を引き起こした。  その勢力は...
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